広島国際文化財団(広島市中区、山本信子理事長)は二十四日、国境を越えた草の根活動に贈る第八回国際交流奨励賞に二団体と一人を選んだ。
受賞したのは、被爆者の手記や原爆詩を朗読する「ひろしま音読の会」(森岡三恵代表)▽国際医療支援活動を展開する広島市の特定非営利活動法人(NPO法人)「モーストの会」(津谷静子理事長)▽二〇〇〇年八月にフィリピン・ルソン島北部に移り住み、植林活動を続ける大場薫さん(56)。
「音読の会」は、広島市などに住む現役と元職のアナウンサーら十九人でつくる。二〇〇〇年に発足し、毎夏定期公演をするほか、昨年三月には被爆六十年の節目として初めて独自に台本を作り、朗読会を開いた。「モーストの会」は、イラン・イラク戦争の毒ガス被害者との交流と、広島大との共同研究・治療の支援態勢づくりを目指す。
廿日市市の中学校教員だった大場さんは、地震で被災した妻の故郷の復興を手伝うため退職してフィリピンへ。一昨年に非政府組織(NGO)を結成し、苗木づくりなどで雇用をつくりながら森の再生を図る傍ら、住民の経済的自立を促している。受賞者・団体には、それぞれ賞状と奨励金十万円を贈る。対象は、中国新聞社と中国放送が最近一年間に報道、制作した記事、番組の中から選ぶ。(中国新聞'06/1/25付朝刊掲載)
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