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New! 毒ガス被害者交流・映画祭打合せ・医療支援
(5月10日〜20日)

初日の晩は、テヘラン副市長ブーラズ・レザイさんが夕食会を主催してくださり、イラン化学兵器被害者支援協会(SCWVS)理事で製薬会社CEOナスロラ・ファティアンさん、毒ガス被害者の眼科専門医マフムド・ババイ医師らと交流をしました。

5月12日、テヘラン・ピース・ミュージアム(TPM)を訪問。ここでは毒ガス被害者がピースボランティアガイドをしておられます。被害者のハッサン・サアディーさんが館内を案内してくださいました。
その後、「第2回目広島イラン 愛と平和の映画祭」(8月1日〜7日、広島市中区八丁座)の打ち合わせを行いました。
ことしは毒ガス被害者との交流12年目。これまで広島を訪問した参加者が家族同伴でTPMに一同に集まり、当会メンバーを迎えてくださいました。家族やグループ百人以上がスピーチを行い、会場一体が家族と思える素晴らしいひとときでした。大変残念なことに、そこへ参加できなかった2人がいます。毒ガス被害者でTPMのピースボランティアで去年来広し、ことし亡くなられたジャハンシャー・サーデギさんと、去年亡くなられたアフマド・ザンギアバディさんです。ご冥福をお祈りいたします。

13日は、サルダシュト出身議員からイラン国会議事堂ロビーで開催中の「サルダシュト毒ガス被害者写真展」へ招待を受け、見学しました。会期中ではなかったもののTVでしか見られないイランの議会内を見ることができました。
その後、平和教育実習で広島を訪れた幼稚園長マフナズ・アリャンファードさんの引率で国際人形館(テヘラン市)を見学しました。日本を含む各国の人形が3階建ての建物に並び、子どもたちが世界文化を学ぶ大切な役割を果たしているとのことでした。
昼食後、TPMを再訪し、広島市内や海外の小中学生が平和をテーマに描く「子どもたちの平和の絵コンクール」(広島平和文化センター・広島市主催)の表彰式が行われました。ことしはイランから2人の生徒が受賞し、家族らとともに遠方から出席。10年前に受賞した16歳の生徒も特別参加し、平和をモチーフにしたスカーフを当会津谷静子理事長へプレゼントしました。

14日、エスファハンに向かう途中、イラン・イラク戦争末期の1988年、毒ガス被害で重傷を負った直後、日本へ搬送されたアリ・ジャラリさん宅へお招きいただき、久しぶりにイランの家庭料理を味わいました。ジャラリさんは体調も回復し、ご家族との皆さんとよい交流ができました。
その後、エスファハンで毒ガス被害者と面談しました。エスファハンの1万人の被害者の中から重度の被害者を含む11名と記者らが参加。重度被害者の一人は「初めてヒロシマとつながりができてうれしい」と語りました。エスファハンの被害者は、イラン南部で曝露した傷害者が多く、海外で手術や治療を行った人も多数。また「イラン全土に毒ガス被害者支援協会支部を作り、ネットワークを広げていきたい」「家庭が明るくなるようにしたい。道は必ず開ける。地方から広げていきたい」と訴えました。これに対し当理事長は12年前、偶然にもサルダシュトを訪問した際、被害者から「原爆のことは知られているが、毒ガス被害のことはどこにも知られていない。世界に伝えてほしい」と言われ、治療支援要請もあったと語りました。理事長は「その後、当会は何年もかけて小さな毒ガス被害の村を回り、その約束を果たしています。ですからみなさんもあきらめないでともにがんばりましょう」と述べました。改めて医療支援の原点に戻る旅となりました。また理事長はこの事実を、地元広島の新聞やTVで発信しているとつけ加えました。(面談は翌日付イスファハン地元紙掲載)。

18日は8月初旬、広島で行われる「第2回広島イラン 愛と平和の映画祭」の候補作品の打ち合わせにアーマドザデ教授の事務所に向かいました。教授の事務所のビルのロビーで、映画協会会長で昨夏来広したアート・センター会長モーセン・モメニさんと再会。われわれを歓迎してくださいました。同施設内のミニシアターで候補作品を鑑賞し、上映後、監督らから作品の説明を聞きました。
また、アーマドザデ教授は、当理事長が本を出版すると聞き、どのような内容か尋ねると理事長は、医療支援活動やアニメ「ジュノー」制作を通じ、何事もあきらめないで乗り越える大切さを伝え、この本の中でもイランの毒ガス被害のことを知らせたい、と話しました。
一方、この日夕方5時、TPMのモハマドレザ・タギプール館長から、イラン文化遺産省から第2回目となる「博物館賞」受賞の知らせを受けたと報告がありました。受賞の理由は来館数が最多、多方面に渡る創造性あるイベント開催とのこと。また、TPMボランティアガイドのサーディさんが10回目の目の手術を受けたこと、それにエスファハン毒ガス被害者協会との交流を広げていきたいと述べました。

19日帰国に先立ち、今年度の行事について話し合うためTPMを再訪。まず、赤十字国際委員会テヘラン支局のコナン看護師が突然面会に訪れ、放射線被ばくや放射性物質汚染の緊急被ばく医療体制を学ぶため広島へ英語で会話ができる医師3名、看護師3名を派遣したいと要請を受けました。帰国次第、当会の津谷内科理事長へ相談することにしました。
また、8月6日前後来広する毒ガス被害者とイラン映画関係者の選考を早急に行い、連絡をもらうことになりました。
その直後、平和首長会議へ新加盟したナガネ市ガッファーリ市長が訪れ、「全加盟都市の10%の628がイランの都市(2015年4月1日現在)。『任命書』は飾るだけでなく、市長も一人の市民として活動を行うことが必要」とし、まずイラン加盟都市の中で、平和首長会議の国際的(平和)教育システムを作り、将来的に海外の加盟都市を招待したいと述べました。これを受け理事長は「これまで被害者は苦しんできました。実のあるお手本となる活動をともに行いたい。首長会議加盟都市は地元の毒ガス被害者が明るく変われるよう、イランでしかできない他国の手本となるアクションを行うべき」と語りました。ガッファーリ市長は、市内に毒ガス被害者が多いことから、月に1度集まり話し合いを行っているとのこと。きょうから一歩進みあすから被害者のために尽くしたいと願いを述べました。
次に、SCWVSソルシュ会長からTPMのボランティアシステムについて説明がありました。平和教育など各担当に分かれ、大勢のボランティアが登録されていて、専門家の研修も受けている。特に毒ガス被害者は、ボランティアガイドとして活躍していくことで輝きを得ているとのこと。これに対し、当理事長は、若い層は、横の広がりだけで終わる可能性が高いので、もっと知恵を出し合いうまく活動するようにしてみてはどうか。また、平和首長会議についても、イランの加盟都市が飛びぬけて多いことから、広島の本部へ数人派遣して研修を受けたり、イランの活動方法を紹介するのはどうかと提案しました。双方で3つの原則を掲げ、@TPMで働く戦争被害者を尊敬する A若者の集いを行う B(イランの毒ガス被害者のために尽力された)故行武先生を忘れない、を軸とし、また世界の平和首長会議代表がイランに集まるよう原点に戻ってがんばりましょう!と締めくくり、当会メンバーはTPMをあとにし、帰国の途へつきました。


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